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◇◇◇◇◇◇VOL-1「(創刊号)高周波加熱とは?」◇◇◇◇◇◇
高周波加熱は、「高周波誘導加熱」とも呼ばれ、導電性材料(金属)に作用する磁界が変化すると、
その材料に電圧が発生するというファラデーが発見した「電磁誘導」の原理を用います。
電線に電流を流すと電磁石という磁石になります。
高周波加熱を、例えて言うならば、
「金属の中を通っている磁界を変えると、その変化を嫌う金属が、元の磁界に戻そうと金属自身の中に電流を流し、発熱する」
ようなものでしょうか。
高周波加熱の原理図を、弊社のホームページ「技術トピック」に掲載していますので、ご参照下さい。
ホームページ:http://www.eguchi-hf.co.jp.
同じく「電磁誘導」の原理を利用したものが、家庭や工場で多く使用されている変圧器ですが、
変圧器の場合は、変圧器内で使用されている金属が出来るだけ加熱されないよう工夫がされています。
高周波加熱の応用に関する欧米の文献は1960年代から急激にその発行数が増えていますので、
産業分野に広く使われるようになったのは、戦後のことではないかと思われます。
当初は、電動発電機(いわゆるMG)や真空管式発振器を電源として、金属の溶解などの産業分野に使われていました。
そして、パワーエレクトロニクスが進歩しはじめた昭和50年前後から、電源の大容量化、高周波化が可能となり、応用分野が広がりはじめました。
さらに、最近では、制御技術の発展を背景に、例えば、異なる周波数を重畳したり、高精度の温度制御を行なうなどの、高周波加熱の応用分野はさらに広がりを見せています。
例えば、家庭やレストランなどでは、IH炊飯器やIH調理器が、「火を使わず、火力調整が簡単なスマートな電化製品」として普及してきました。
電磁調理器の中には、写真のような、高周波加熱のためのコイル(高周波電流を流して磁界を変化させるもの)が内蔵されています。
先日の中越沖地震で自動車部品メーカさんが操業停止を余儀なくされ、国内の全ての自動車の生産がストップしましたが、
自動車部品製造では、合金の溶解、ギヤー・シャフトの焼入れ等、多数の工程で、高周波加熱が不可欠です。
また、日本の製造業を支える鉄鋼でも、多数の製品製造過程での高周波加熱が不可欠です。
高周波誘導加熱に関する基礎的な話を出来るだけわかりやすく、不連続テーマ・不定期発行のメルマガで進めてまいります。
ご質問は、こちらまで:メール